眉の美しさを極めると同時に、皮膚科全般に精通した看護師を目指したいです。

名前：　長谷川 明里（ハセガワ アカリ）
SNS：　hase_artmake
所属：　服部形成外科・皮ふ科

地元・東京の八王子を離れ、現在は愛知県名古屋市にある「服部形成外科・皮ふ科」で勤務しております。看護師の長谷川です！

保険診療の補助、美容施術（自費診療）、アートメイク、医療針脱毛など、幅広い業務を担当しながら、日々やりがいを感じて働かせていただいています。

住む場所にあまりこだわりはない分、「自分の想いを実現できる環境で、同じ想いを持った仲間と働ける職場」」を常に探し求め、今の環境にたどり着きました。

今までのご経歴を教えてください。

実は、私は新卒で訪問看護の道に進みました。これは、ご縁あってとある訪問看護ステーションの社長と出会ったことがきっかけです。ただ、当初予定されていた病棟での技術研修がなくなってしまったり、研修制度の整備も追いつかなくなってしまったりと、私一人の主体性だけでは乗り越えることが難しい環境になり、やむを得ず転職を決意しました。その方のお住まいにお邪魔する看護は、接客のように丁寧な姿勢で関わりを持てるところがとても好きで、やりがいでもありました。

そのときは、自分のキャリアは簡単に他人には理解してもらえないだろうと不安に感じていましたが、「せっかくなら、看護学生時代に憧れた美容の道に進んでみよう」と思い、美容看護師への転職を志しました。ちょうどその時期に、千里中央花ふさ皮膚科の花房先生の著書『ハイブリッド皮膚科』に出会い、保険診療と自費診療を組み合わせた“ハイブリッドクリニック”の考え方にとても希望を感じました。この出会いがきっかけで、「実力をつけて、将来的には保険診療にも携われる看護師になりたい」と思うようになったのです。

美容看護師としての最初のキャリアは、脱毛メインのクリニックでした。ここでは、接客の基礎から皮膚の知識、脱毛の仕組みまで多くのことを学びました。また、外部の学習イベントなどにも積極的に参加し、学びを深める日々でした。大阪の脱毛クリニックに勤務していた頃には、新宿のメディカルスキンケアスクールに深夜バスで通い、脱毛以外の美容医療についても学びました。脱毛の施術が自分に合っていてとても楽しかったこと、そしてお客様と一緒に美しさを目指していける美容の仕事にやりがいを感じられたことが、続けたいと思える理由でした。

その後、外部イベントやSNSなどで情報収集をする中で、服部形成外科・皮ふ科の服部友樹院長の存在を知りました。ご自身のお辛いアトピーの経験から化粧品開発をされていたり、研究的に患者さまの肌治療に取り組まれていたり、診療への想いが熱いことを知り、看護師としてそばで働くことに憧れました。看護師の募集があることを知ったとき、すぐに問い合わせをして応募。ご縁があり内定をいただき、現在は同院に勤務しています。

美容看護師になろうと思ったきっかけを教えてください。

医療脱毛によって、自分のコンプレックスが大きく解消されました。オフショルダーの服が着られるようになったり、思いきり夏を楽しめるようになったりと、自信がついたことで性格も明るくなったと実感しています。

そんな経験を、今度は自分が“提供する側”になりたいと思ったことが、美容看護師を目指すきっかけでした。

仕事を通して「何に貢献したいか」と考えたとき、美容看護師という仕事は、自分にとって最適な道だと感じました。

美容看護師に転職すると決めた際、周りの反応はどのようなものでしたでしょうか？

周囲から否定されることはありませんでした。むしろ背中を押してくれる友人ばかりで、とても励みになったことを覚えています。

一方で、訪問看護の会社で退職を申し出た際には、「このままではあなたはどこに行っても役に立たない」といった言葉をかけられ、自信を失いかけたこともありました。

それでも、美容看護師として日々必死に学び、誠心誠意患者様と向き合う中で、指名をいただいたり、丁寧なお礼の言葉をかけていただいたりと、少しずつ仕事を通して多くの喜びを感じられるようになってきました。

どんな言葉をかけられたとしても、その道を「正解」にしていけるかどうかは、自分自身の努力次第なのだと実感する毎日です。

初めて美容クリニックに転職した際、転職エージェントを利用しましたか？

一般的によく知られているエージェントにいくつか登録していましたが、途中で「美ナース」さんを見つけてからは、そちらにお世話になりました。担当してくださったのは、もともと大手美容クリニックでカウンセラーをされていた方で、美容看護師として働きたいという私の気持ちをしっかりと受け止めてくださり、転職活動を丁寧にサポートしてくださいました。

脱毛クリニックから現職への転職の際は、エージェントは利用せず、個人で応募し、面接対策や履歴書・職務経歴書の作成にも自分で取り組みました。

美ナースにお世話になっていた際、面接時のポイントや履歴書・職務経歴書の作り方などを丁寧にアドバイスいただいていたおかげで、個人で面接準備をするときに役に立ちました。

初めて美容クリニックに転職した際、転職活動で苦労したエピソードはありますか？

美容クリニックへの転職にあたって苦労したのは、「なぜ美容医療を志すのか」「自分にとって美容医療とは何か」といった想いを、自分の言葉で表現し、相手にきちんと伝わるようにすることでした。

面接では自信を持って自分の言葉で答えられるように、さまざまな美容クリニックで実際に聞かれる質問を調べて書き出し、それぞれの問いにしっかり向き合いながら、自分なりの回答を作成しました。時間も労力もかかりましたし、「伝わらなければ意味がない」と思っていたので、何度も見直しては修正を繰り返しました。

病棟と美容クリニックの「求められるスキル」「給与、休日、残業」「休日の過ごし方」の違いはありますか？

病棟での勤務経験がないため、具体的な比較はできませんが、美容看護師と病棟看護師とでは、やはり違いはあると思います。

また、美容クリニックの中でも、求められるスキルや、その対価となる待遇には差があります。前職の脱毛クリニックでは、基本的に施術は「脱毛」のみだったため、接客や物販に力を入れる風潮が強くありました。

一方で、現在勤務しているクリニックでは施術内容が多岐にわたる上に、保険診療も扱っているため、必要とされる視点や学ぶべき知識の幅、そして深さが大きく広がったと感じています。

美容看護師になる前となってからで美容看護師に対する印象の違いはありますか？

私が美容看護師になりたいと志した通り、やりがいを感じながら働けています。ただ、美容看護師とひと口に言っても、取り扱う美容施術の範囲、美容看護師のモチベーションや転職の動機は様々だということを実際に働いてみて実感しました。美容看護師、と言ってもさまざまなクリニックがあるので、自分がどんなふうに働きたいかを明確にして、それが叶えられる場所で活躍することが1番幸せなことだと思います。

思っていた以上に良かったと感じるのは、自分に知識がついたことで、セルフケアに対してしっかりと自分の意思を持てるようになったことです。以前のように漠然と誰かの言うことを鵜呑みにしたり、悩みすぎて疲れてしまうことが減り、「なぜその悩みがあるのか」「何をすべきなのか」が自分で分かるようになったことで、気持ちがとても楽になりました。

また、周りには知識のある人がたくさんいるので、日々耳に入ってくる“口コミ”の質も自然と高くなっているのを感じています。

美容医療業界未経験者が美容クリニックで働く際、大手と個人クリニックで合う人と合わない人の特徴はありますか？

大手は仕組みが整っていて、自分のキャリアの作り方がとてもわかりやすいと思います。さまざまな役職が用意されていたり、研修のステップアップ制度も整備されているので、やる気次第で実績に反映されやすい環境です。美容看護師としてキャリアをスタートするうえで、学びが多く得られる場所だと感じます。

一方で、個人クリニックではスタッフの人数が少ないこともあり、全体のバランスを見ながら「自分がどう在るべきか」を考える機会が多いと感じます。大手にいた頃よりも、自分がどんな価値をクリニックに提供できるかについて、より責任を持って考えるようになりました。

また、患者さまに名前を覚えていただきやすく、信頼関係を築くことがとても大切になるので、想いを込めた施術や接客をしたい方には、個人クリニックはとても向いている環境だと思います。

40代、50代以上になっても美容看護師として働くにはどのような経験やスキルが必要だと思いますか？

流行や最新の機械の導入など、美容医療の情報は日々目まぐるしく更新されるので、常に自分をアップデートし続ける意識が必要だと思います。

これからは、学生時代から美容看護師を目指す意識の高い看護師さんたちもどんどん増えてくると思うので、そうした方々と素直に学び合い、高め合える関係を築けるような人間性も大切にしていきたいです。

そして、自分自身が年齢を重ねていくなかで、美容医療を通して“みんなの参考”となるような施術経験を積んでいくことも、若い世代とは違った強みとして活かせるポイントだと考えています。

美容看護師の魅力ややりがいに感じることを教えてください。

とにかく、自分が提供したい『価値』にこだわれるところが、美容看護師としての一番の魅力だと感じています。どんな施術を通して、どんな変化を届けたいのか。その想いを大切にしながら、お一人おひとりに向き合えることにやりがいを感じます。自分自身の軸や信念を持って働けるのは、美容看護師ならではの魅力だと思います。

今後の目標があれば教えて下さい。

医療針脱毛と眉アートメイクを組み合わせて、美しい眉づくりに特化したプロフェッショナルを目指したいと考えています。また、保険診療と自費診療、両方の知識を常にアップデートしながら、皮膚科診療に幅広く対応できるナースになれるよう努めていきたいです。

これから美容看護師にチャレンジする方にメッセージをお願いします！

飛び込んでみてからしか見えない世界があります。目の前に見えている、『やったほうがよさそうなこと』をやり続けることで、自分の思い描く未来がより具体的になって、目標も具体的になって、気づけば自分の求めていた場所に行くことができると思っています。

行動したもの勝ちです。自分で選んだ道に自信を持ちつづけられるように、私も頑張ります！